野球における「声を出す」意味とは

少年野球では度々聞かれる「声を出す(声を出せ)」というキーワード。

他のスポーツでもあるのかは正直分かりませんが、

野球界では聞いた事が無いレベルで言われるキーワードです。

私がコーチを務めるチームでも、

監督はもちろん、私も、保護者の皆様もよく「声を出せ!」と、

子どもたちに指導する事が多々あります。

あまり野球をした事が無い人は当然ですが、

野球をやっていた人でも、当たり前の様に「声を出す(声を出せ)」と言われていたので、

なぜ声を出さなければいけないか、いまいち分かっていない(説明できない)人は、

意外と多いのではないでしょうか?

という事で今回は、野球で「おおきな声を出す理由」について、お伝えさせて頂きます。
(但し、あくまでも私的な見解ですので、予めご了承くださいませ。)

目次

大きな声を出す3つの理由

私が考える野球で大きな声を出す理由は大別すると3つになります。

①意思表示
②指示、命令系統の確認
③叱咤激励

では、順番に解説をしていこうと思います。

①意思表示

これは主に、“自分が呼ばれた際の返事「はい!」”や、

“自分がボールを取る際の掛け声(主に「オーライ」)”が該当します。

意思表示を1番最初に挙げた理由は、私がこの意思表示が最重要事項だと考えている為です。

まず、呼ばれた際の返事ですが、

返事はコミュニケーションの基本で、社会人の間でも超絶基本的なスキルだと思っています。

誰かに呼ばれた際に、大きな返事が出来れば、呼んだ相手に対して、

「自分は聞こえています」「自分はここにいます」という意思表示ができます。

これは、何気ない事ですが非常に大切です。

そして、監督や、先生、また社会人であれば職場での上司や先輩が自分を呼ぶという事は、

その時点で大切なことを伝える為に呼んだ可能性が高いです。

その際に、相手に聞こえない返事をしたり、やる気がない様に聞こえる返事をすれば、

読んだ人の印象はすこぶる悪くなります。

更に、印象が悪くなるだけでなく、与えられる筈だったかも知れない

大きなチャンスまで逃してしまう可能性があります。

たかが「返事」ですが、これができない社会人は結構多いです。

小さいうちから、大きな声で返事をする事で、

自分の意思表示をする第一歩を身に着けて欲しい”という思いがあり、

私が所属するチームでも、私を含めチーム全体で特に口酸っぱく伝えております。

そして、もう1つ大事な事が、自分がボールを取る際の意思表示です。

これは、怪我防止です。プロ選手であっても、打球に集中しすぎて、

選手同士でぶつかって大怪我という事がありました。

そして、少年野球では、この選手同士がぶつかる、

もしくはぶつかりそうになるという事が非常に多く、怪我の元になっています。
(もちろん、失点に繋がるエラーになりますし、試合を決する様なミスになる可能性もあります。)

それを防ぐ為には、大きな声で“このボールは俺が取る”という意思表示を、

周りの選手に伝える為に「大きな声でのオーライ」が必要になるのです。

今年プロ野球が開幕してから、暫くの間は無観客で試合が行われ、

その中継をご覧になっていた方は「プロでも試合中にあれだけ大きな声を出しているのか」と、

お気づきになった方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?

特に、内野フライが上がった際の「オーライ」の声の大きさと、速さは本当に見習うべき部分です。

子どもたちには良いお手本でしたので、絶対に1度は見て聞く様に伝えておりました。

どちらも非常に大切な事ですので、私はここを最重要事項としていつも子どもたちには伝えております。

どのチームでも、ここはかなり口酸っぱく指導されているのではないでしょうか。

②指示、命令系統の確認

これは、野球ならではの部分だと思います。

野球は、投手が1球投げる毎に状況が変わる可能性があります。

そして、状況が変われば、その後の動きも状況に合わせて変わります。

その動きを毎回指示し、確認する為に、キャッチャーや主将は大きな声で、

「指示、命令系統の確認事項」大きな声で伝え、

それを聞いた選手たちは、確認の意味も込めて大きな声で「その指示、命令系統を復唱」します。

これが出来るできないで、プレーに迷いが生じる可能性が大幅に減ります。
(ゼロになる事はありません。まれに、「そんな事起こる?」という事が起きますので…。)

プレーに迷いが生じれば、それはミスに繋がる可能性が高く、失点にも繋がる可能性が出てきます。

この声出し確認と復唱が、当たり前にできているチームもありますが、

できていないチームも多くあります。

そして、少年野球では少し想定外の事が起きれば、

いっぱいいっぱいになってしまい、忘れてしまう事が多くなります。

また、野球の動きは複雑で状況によって動き方はポジション毎にかなり変わってきます。

本当に覚える事が沢山あり、4年生くらいまでは基本的な事を全部覚えるのも一苦労です。

ただ、この聞いた事をそのまま復唱する事が、覚える大きな手助けに繋がります。

ここを粘り強く伝え続けられれば、選手の動きは格段に変わってくると思います。

そして、選手たちだけでそれが徹底出来ているチームは間違いなく強いです。

③叱咤激励

叱咤激励とありますが、少年野球においては選手間では「激励」のみで良いと思います。

基本的には、良いプレーをした選手がいれば、しっかりと

「ナイスプレー」「ナイスキャッチ」「ナイスボール」等で褒め合い、

ミスをした選手がいれば、「どんまい」「次は大丈夫」「切り替えていこう」等、

少しでも前向きになる言葉を、大きな声で伝え合う事です。

野球もメンタルのスポーツで、少しのメンタルの動揺がミスに直結してしまいます。

自分たちでこれが出来れば、ピンチはチャンスに変わり、

良いプレーが続く好循環になる可能性が高くなります。

もちろん、スタッフや、父母のみなさんも積極的にプラスの声掛けをして貰った方がより良いと思います。

スタッフや、父母のミスに対するマイナスの声掛け(叱咤)は、

よほどメンタルの強い子どもで無い限りマイナスでしかないと思います。

もちろん、 「叱咤」は大切ですが、試合中は出来る限り封印し、

子どもたちが良い精神状態でプレー出来る様な声を掛ける方が良いのではないかと思います。

いかがでしょうか?

あくまでも、私個人の考えでありますので、私があげた事以外にも「もこういう効果がある」とか、

「それでは勝てない」「子どもには伝わらない」等色々な意見があると思います。

そこはあくまでも私個人の考えですし、チーム方針によって変わる部分も多々あるので、

正解は無いと思っております。

あくまでも「こういう考えもあるよ」という参考レベルに捉えて頂ければとになれば幸いです。

ただ、「声を出せ!」と言うだけでは、子どもたちの声はいつまで経っても出てこないと思います。

「なぜ出さないといけないのか?」

「どういう声を出せば良いのか?」

時に、指導者自ら率先してお手本を示し、粘り強く伝えていく必要があると思います。

今回の内容が少しでも、参考になれば幸いです。

ではでは。

また次回m(_ _)m

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